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ブランディングってなんだろう? – 連続研究1 – セントラルキッチン編

弁理士の基軸業務のひとつに、商標登録があります。商標登録ってなぜ必要なんでしょうか?

その商標を独占的に使用するため、安心して使用するため、他人の商標登録を阻止するため、模倣品を排除するため・・・。様々な理由がありますが、突き詰めれば「ブランディング」のためといえます。

では「ブランディング」って何なんでしょう?ビジネスの現場では日常的に用いられますし、最近では「セルフブランディング」などの新しい使い方もされるようになりましたが、その本質を一言で言い表すのはとても難しいです。

そこで、本ブログで、少しずつブランディングの勉強をしていきたいと思います。私が勉強するという意味ですよ笑。

少なくとも現段階で、「ブランディングとは○○である」といえる答えを、私は持っていません。そこで、ブランディングに成功・失敗した身近な実例や、本や論文で学んだことを、ブログに綴っていこうと思います。答えがあってそれを分解して説明するのではなく、気付いたこと・知ったことをアーカイブ化していき、いずれ帰納的に何らかの結論が出せればいいなという軽い企画です。

ということで第1回目は、ブランディングとセントラルキッチンをテーマに考えてみます。

例えば、ラーメン屋を開業したとします。毎日スープの仕込みは大変ですが、味やサービスが評判を呼び、継続的に利益が出るようになりました。そこで、近くに2号店を出店します。

順調に2号店、3号店・・・と店舗を増やしていき、売上も増えました。単純に売上は2倍、3倍・・・となると仮定しましょう。

もちろんそのぶん経費も増加しますが、仕入れや決済手段、従業員管理などは一元化できるので、2倍、3倍・・・とはなりません。例えば材料の仕入れは、複数店舗あっても1度で済みますし、注文量が増えれば単価も下げられます。現金以外の決済手段の基本料金は店舗数にかかわらず一定なので、店舗数に応じて均していくことができます。

つまり、店舗数が増えるほど利益率は高くなる傾向にあるといえます。

こうして順調に店舗数を増やして経営を合理化し、収支が安定してきました。そろそろフランチャイズ化して、自動的に収益が上がるようにしようと考えます。しかし、各店舗でスープの味を統一するのは難しく、またフランチャイジーにとっては仕込みの負担が大きく、事業拡大のネックになっています。

そこで、セントラルキッチンを導入することにします。セントラルキッチンとは、外部の施設で大量に調理をして各店舗に配送するシステムで、店舗は温めなどの簡単な調理のみで料理を提供できるようになります。もちろん品質の維持(美味しいスープを大量に作れるか)などの課題はありますが、これらをクリアして、大幅に経費を削減しつつ店舗数を増やすことに成功しました。

これをブランディングの観点から見たときのポイントはどこでしょうか。店舗数を増やしていき、フランチャイズ展開をするときに、開店前から売上が見込めるということではないでしょうか。

なぜ開店前から売上が見込めるのでしょうか。他の地域で成功した経験から新しい店舗でも成功すると予測できる、という側面ももちろんあるでしょう。しかしそれよりも、ラーメンの評価が定着したことによって、そのラーメンのブランドが顧客を吸引する力を得たからといえるように思います。

「最近話題の博多一風堂が近所にオープンするんだって、行ってみよう!」となる。食べる前なのに一定の評価が得られた状態からスタートできるわけです。無名の状態で出店することと比べて、リスクが大幅に異なることは明らかです。

このように、ブランド自体に顧客吸引力が備わり、事前に売上予測が立てられるようになれば、セントラルキッチンによるスケールメリットを享受することができます。

1店舗→多店舗→フランチャイズと、規模が大きくなるにつれてスケールメリットも大きくなるわけですが、その根幹には「ブランド」があることを忘れてはいけません。

ブランディングの性質のひとつに、「ブランドそのものが価値を持つ」ことが挙げられそうですね。

今回は、博多一風堂、一蘭、味千ラーメン、その他フードコートに入っている様々な種類の飲食ブランドの事例からブランディングを考えてみました(なおこれらがセントラルキッチンを利用しているかは確認していません)。

今日のテーマからは、他にも、例えば暖簾分けやフランチャイズ化自体のブランディングの問題、多店舗展開とブランドの強さの相関関係など、面白い検討がたくさんできそうです。次回以降考えてみたいと思います。

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