タグ: ミャンマー

ミャンマー知財法成立

ミャンマーで知財法が成立したとの報道がありました。

ミャンマーで知財法が成立、模倣対策に寄与(NNA ASIA)

ご存知の方も多いと思いますが、ミャンマーにはこれまで(著作権法以外の)知的財産法がありませんでした。ですので、特許や商標の出願を審査して登録するということはできませんでした。

そもそも法律がないのですから、出願自体ができません。特許庁もありませんでした。

そこでこれまでは、「登記法」に基づいて、外国で登録された特許・意匠・商標の所有権を登録していました。しかし権利行使をするには、新聞等でその内容を広告(「公告」ではなく、権利者自らによる「広告」)することが必要でした。

物価の差(月給1万円以下だそうです)もあり、所有権の登録までは比較的安くできたのですが、新聞広告にはやはりそれなりの費用がかかり、ミャンマー出願のネックになっていました。

新聞広告の費用は、広告欄のサイズ、例えば商標出願ならば指定商品の数などにより変動しますが、最低1,000ドル、通常は2,000ドル以上かかります。

今回知財法が成立したことにより、大枠では世界基準の知財制度が整備されたことになります。しかし、まだ法律ができたというだけで、おそらく特許庁もありませんし、審査官の教育もこれからです。出願の受付開始までにはまだ時間がかかると思われます。

日本企業として気になるのは、これまでに登記法に基づいて登録した商標等の、新法下での有効性だと思います。まだ詳細はわからないのですが、弊所が現地代理人から入手している情報(※新法成立前ですので正確ではない可能性があります)では、所有権登録済みの権利は、新法施行後も有効であろうとのことです。

ただし、新法に基づいてミャンマー国内で発生した特許権や商標権のほうが当然強いでしょうし、現行の所有権登録は3〜5年おきに広告し直すことが推奨されていることを考えると、新法に基づいて出願・権利化することが好ましいと思われます。

なお、現行の登録と新法による登録は、併存できる見込みとのことです。また、先願主義が採用される関係で、出願受付開始時には、一定期間(おそらく数ヶ月間)の猶予期間を設け、その間での先後願は判断しないこととなるようです。その際、出願内容がバッティングした場合は、所有権登録してあるものを優先することになると思われます。

逆にいうと、この猶予期間に出願しないと、新法下で登録できない可能性があります。受付開始時にスムースに出願できるよう準備を進めておく必要があります。

いざ出願受付が開始されると、現地代理人のキャパには限界があるので、かなりの混乱が予測されます。日本企業はいまから出願準備を進めておいたほうがいいでしょう。

特に委任状は、(公証及び領事館認証は不要の見込みですが、)いまの段階で現地に送っておき、いつでもすぐに出願できる体制を整えておくと安心です。弊所の雛形も用意していますので、お気軽にお尋ねください。

お読みくださりありがとうございました。ご意見・ご質問をお待ちしています